妊婦外来 検診1回目

体重が一気に4kg増えている夢からさめて、ようやくあこがれの妊婦外来の検診。今回は夫もついてきてくれた。
採尿をし、待合室へ。
待合室は診察室の前にあり、なぜか妊婦外来はドアが開け放たれているので、中の声が、待つ位置によっては聞こえてくる。
夫婦で来ている11週(11週なのにもう妊婦外来なんだ、なぜ私は…?)の人は、来週車を運転しなくてはならない相談や、マタニティヨガをやっていいかの相談をしていた。
次の、おなかがもう大きい妊婦さんは、体重の増加を叱られていて、「果物食べるのやめましょう」と言われていた。果汁グミを食べていた私の手が止まる。聞けば、彼女は毎日みかんを5つ食べているとのこと。でもそれだけで…?


私の番が来て、まず助産士さんとの面談。旦那さんはあとで、と追いやられ、体重と身長を測られる。
母親学級と父親学級の希望日程を伝え、もともとあった脳貧血がひどいことを伝える。


再び待合室に戻り、診察を待つ。
また私だけが呼ばれる。診察室に入ると、椅子に座っている姿勢でかたまってしまった、という背格好のおじいさん先生が、野球の練習着を着て座っていた。一体その格好はなぜ、という疑問でいっぱいになっている間に、ベッドに横になるように指示される。
初めての、腹からの超音波だ。
私も妊娠するまで知らなかったのだが、週数が浅いうちは、膣内に棒を入れる形の超音波になる。ドラマなどで見るような、いわゆるおなかの上を滑らせる超音波は、ある程度大きくなってからなのだ。


おじいさん先生は、超音波を使うために入力しなくてはいけない項目が増えたことに文句を言い、腹囲を測り、夫を呼ぶように看護婦に指示し、腹にオイルを塗っていく。
私はその間、先生の胸に書かれたチーム名を読もうと目を凝らす。OG、までしか読めない。OGIISAN、ではあるまい。
オイルはあったかかった。モニターにセットできるようになっているから、機械の熱で温められるようになっているのだろう。効率が良い。


夫は私の頭側の椅子に座らされる。
モニターに映った胎児は、両手をシャカシャカシャカッと前後に動かしながら口をパクパクしていた。我が子はいつも、登場が面白い。前回よりも、頭部が俄然、もう人間の形だ。
「…うごいてるね」とおじいさん先生。「暴れてる」と夫。
先生がモニターを一時停止しながら、丁寧に説明してくれる。胎児の後頭部のふくらみが大きいと異常が見られる可能性が上がるのだ、とか、羊水の量は多くても少なくても駄目だ、とか、前駆胎盤だと大変だ、とか。
合間合間に、胎児は私のことを蹴りまくっている。
全て正常値だった。


夫がまた出され、机の上で、超音波のそれぞれの写真に異常がないよというハンコを押していく。へその緒の位置に関しては、「…理想的…」と言われながら押された。


本日の健診代、父親学級、母親学級の支払いも合わせて6890円。


会計をして、夫と駅前まで行って、サンマルクカフェで軽食を取る。
1時間くらいかかったわりに、夫が関われたのは5分くらいだったので、ちょっと申し訳ない気持ちになったが、夫についてきてもらって、一緒にモニターが見れたことは、ことのほか、私をうれしくさせていたようだった。夫に対する愛情がむくむくと沸いた。私は今まで病院で、不安も喜びも手続きも一人で抱えていて、心細かったのだな、とわかった。


夫は、ありゃー男だな、と言った。
それにしても、全て順調でつわりもないことが不思議だ、と言われる。普段の梅雨時や、花粉のひどい時の方がずっと具合悪そうだし、きっと何かひどいことになるに違いないと覚悟していたのだそうだ。
今までの健康生活がやっと実を結んだと思おうよ、と夫に言う。第一、生まれてからいろいろ出てくるかもしれないし、お産が難産かもしれないし、油断はできないのだ。
そんなことを言いながら、母子手帳を見ていると、今日の採尿で、糖が+と赤字で書かれていた。来月も+だったら注意されるのだろうか。甘いもの、控えなきゃ…とチョコクロを食べながら思った。