吐き気

電車の中、向かいの席の小学生女子3人に、チラチラ見られて内緒話風に手で口を隠して何かを耳打ちしては、辛抱たまらん、という風に笑われていた。いかにも一人称に「うち」を使っていそうなナルミヤ系の3人だ。そんなあからさまに意地の悪いことをされた事がなかったので、最初は自分のことだと気づかなかった。先生に似ているとかそんなところだろう。しかしだとしても、はらわたが煮え繰りかえったので、次にやったら「あんたたち感じ悪いよ」と言おうと思ったが、隣に座った女児が、私側の座面をたたいて、「お母さんも座って」とお母さんが「お母さんはいいの」と言っても何度も言うので、席を譲った。お母さんは恐縮しきりだったが、私は小学生女子たちの目に届かないところに移動できたので別に良い。あの者たちに、私が感じたのと同じくらい嫌なことがありますように。


相変わらず腸の具合がいまひとつだったがつわりもますますなく、雷雨の中、店に訪れる人もいなく、もくもくと秋物の在庫整理表を作っていた。
ずっと下を向いていたせいだろうか。天候のせいだろうか。(何しろ昨日が35℃で今日22℃だ)
突然、はっきりとした吐き気に襲われた。
わ、わ、わ、と上を向いて、外に出た。
外が涼しいので助かった。
一瞬動けないほどのめまいに襲われた後は、腸が突然痛んで大きく動きだした。
そうなると、いつもの脳貧血と同じなので、冷静に対処出来た。トイレに行っただけだが。
しかし吐き気がどうもおさまらないので、少し早めに店を閉め、地下鉄に乗って、ちょっと迷ってシルバーじゃないシートに座った。
すると隣に、揚げ物の総菜をぶら下げた女が座った。
続いて、強烈なワキガの持ち主が、つり革に捕まった。
揚げ物とワキガの狭間で、妊婦になす術があるだろうか。
見回しても席は全部埋まっている。平日、たいてい電車は座れるので油断して「おなかに赤ちゃんがいます」キーホルダーをぶら下げていない。はじめて後悔した。


しかし、気圧の変化で脳貧血を起こす身としては、これくらいの吐き気、どうということはない。
あたしのふだんの具合の悪さ、なめんなよ、と仮想敵・ツワリに対して人差し指をつきつける。
しかし、これ以上ひどくなると、接客業務はちょっとまずいな。


夕飯は夫が焼きそばを作ってくれる予定。
最近、休日に私が仕事に出ると、夕飯を作ってくれるのだ。洗い物もしてくれます(重要)。