幼なじみたち

スイスで暮らしているKが帰国しているので、Aと3人でランチをする。
各国を旅しているKのよもやま話や、医師としてのAの専門性の高い話はとても面白く、それでもやっぱり結局のところ「だれそれは今どうしている」という幼なじみらしい話に終始したりして、時間はあっという間に過ぎた。


KはAがどのような人と結婚したのか知らなかったので、その経緯が一通り終わると、Kは私を向いて、「ヤベは、あのお若い方だよね」と言った。詐欺だの、騙してるの、とさんざん言われるので、「お若かった方も、先日もう30になりましたよ」と言うと、KもAも「30!!我々は30代である事にも慣れ、これから40に向けての心構えをしていこうという時なのに30て!!!」と興奮するので、幼なじみとはおもしろい。夫側の友人らは、私も含め、夫のことを18の頃から知っているので、彼の誕生日は、あの子がもう30か、としみじみしたものだったのに。
けれど忘れていたけど、そもそも私はこちら側の流れにいるのだ。


さんざん誰それが子供を産んだ、という話をしていて、話の流れで、「今妊娠してるんだよ」とKに言う。Kはとくに驚いた様子ではなかった。
子供を持とうと思ってから、すぐできてしまった、と言うと、Kは電車内で「種が若いから!」と大きな声で言った。